| 玉掛索を使用する場合、ワイヤロープの規格破断荷重に安全率(玉掛索の安全率は6以上)を掛けて使用します。
両アイ加工の玉掛索はユーザーもよく分かっていて、規定どおり計算してくれるのですが、エンドレス直つり(図参照)を使用した場合に勘違いをされているユーザーが非常に多いようです。
そこで、今回はエンドレス直つりの安全荷重の出し方をみなさんに知ってもらうために、特集を組んでみました。
エンドレス玉掛索を直つりで使用する上でよく聞く間違いが、「エンドレスは中間のロープが2本あるから強度も2倍になる」とか「1.5倍になる」といった内容です。
エンドレス直つりのロープ選定で重要なポイントは、フック(もしくはその他の金具)にかかる部分の「小径曲げ」による強度低下です。
この部分のD/dが小さくなるほどロープの強度は低下します。
※D/dとは、シーブまたはドラムのピッチ円の直径とロープ公称径との比。
ちなみにロープ径と同じ径の金具(例えば、50mmのロープを幅50mmのフックなど)で吊った場合は、小径曲げによりロープの強度が50%低下するため、安全荷重は両アイ玉掛索1本つりと同じになります。
このようにフックの大きさ(D/d)に応じて強度低下率も変わります。
※上下の金具(フックやシャックル)の大きさが異なる場合は小さいほうの径を選択する。
エンドレスの安全荷重を計算する上でよくあるのが、「D/dが分からない」といったケースです。
その場合は、安全を考えてD/d=1で計算するのが妥当です。
つり荷重から1本当たりに必要なロープ破断荷重の求め方
ロープ規格破断荷重=(つり荷重×安全率)÷(つり本数×強度効率)
安全率:6以上
つり本数:この場合は2
強度効率:ロープの曲げ比率と強度効率のグラフ参照
ロープの曲げ比率と強度効率
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1 |
5 |
10 |
20 |
| 6×24 |
50 |
30 |
25 |
10 |
| 6×37 |
45 |
22 |
10 |
5 |
| 6×Fi(25)、Fi(29) |
45 |
25 |
15 |
4 |
例)
つり荷重:10トンで、D/dが分からない場合:安全を考えて1とする
(10×6)÷(2×0.5)=60
規格破断荷重60トン以上のロープを選定
6×24 A種なら36mmを選定(6×24 A種 36mmの規格破断荷重65トン)
つり荷重:10トンで、D/d:2とした場合
(10×6)÷(2×0.65)=46.153
規格破断荷重46.153トン以上のロープを選定
6×24 A種なら32mmを選定(6×24 A種 32mmの規格破断荷重51.4トン)
以上はフックやシャックルなどの円筒形のものにロープをかけた場合の計算ですが、鋭利な角で曲げられた場合の強度低下率も下記に明記しておきます。
角度 α(°) |
120 |
90 |
60 |
45 |
| 強度低下率(%) |
30 |
35 |
40 |
47 |
例)
つり荷重:10トンで、角度:90度の角で折り曲げられた場合
(10×6)÷(2×0.65)=46.153
規格破断荷重46.153トン以上のロープを選定
6×24 A種なら32mmを選定(6×24 A種 32mmの規格破断荷重51.4トン)
(注意)
鋭利な角に当てて1度使用したロープは、角の部分で損傷しているため、元に戻しても破断荷重が低下しています。
例えば、90°の鋭利な角に当て規格破断荷重の1/6で引張ったロープは、元に戻して引張試験を行うと破断荷重が約20%低下します。
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