2008年5月8日(木) 鉄鋼新聞
需要低迷下の二三次流通 ワイヤロープ端末加工に特化 年間加工量はトップ級
中村工業はワイヤロープ端末加工に特化した業容で、業界屈指の経験と実績を持つ。東京製綱の指定代理店であり、端末加工は細径から太径(ロープ径120ミリ)まであらゆるサイズを手掛ける。特に得意とする太径ロープ加工で評価が高い。単なるワイヤロープ販売はせず、ワイヤロープ端末加工量は全国トップクラスの年間2500トン。中村和郎社長は02年6月から全日本ロープ加工組合連合会(全国13支部のロープ加工業者で構成、会員222社)の会長も務めている。
中村社長(65歳)は1964年に21歳で同社を立ち上げ、67年には商号を現在の中村工業と改称した。68年に300トンプレス機を設置しロック加工に本格参入、74年に現所在地に移転、86年には法人改組した。90年以降もプレス機(3000トン、1500トン、1000トン)や太径ロープ計尺機を設置し、設備の充実を図っている。2002年には本社隣に第2工場兼倉庫を開設、04年には本社近隣地の4階建てビルを購入した。
中村社長は次のように話す。「故郷の鹿児島から大阪に出てきて、およそ半世紀。今では業界で古株の一人になってしまった。全日本ロープ加工組合連合会の仕事も自ら手を挙げたわけではなく、『皆さんのお役に立つのなら』との気持ちでさせていただいている。会社を立ち上げた当時、ワイヤロープ端末加工を専業でやっている所は数えるほどだったが、今では大手ワイヤロープ流通で端末加工に注力しているところも多い。加工一筋で44年やってきたが、営業マンを1人も置いていないのも当社の特徴。ロープ加工技能士(国家資格)は現在9人だが、当社から独立した者も数人いる。中村工業は加工技術で生きてきた、と自負している。極めて当たり前のことではあるが顧客ニーズに応え、安全な製品を安く迅速にお届けすることが仕事の基本。それを大切に考え、これまでやってきた」
07年9月期業績は売上高が前期比0.6%増の6億5400万円、経常利益が同13%増の6800万円。
ワイヤロープの端末加工には一般的な編込み加工(アイスプライス)やロック加工の他、ソケット・クリップ・グロメット加工、ワイヤもっこなどがある。需要家の用途に応じ、様々なサイズのロープを最適な方法で加工、安全かつ効率的な荷役作業をサポートする。
仕入れは東京製綱が約7割、その他は浪速製綱、テザックワイヤロープなど。
「韓国製ワイヤロープは4〜5年前、国内製品に比べ安価であるため使っていたが、足元では価格面での利点が薄らぎ使用していない。ワイヤロープは『産業の命綱』と呼ばれている。荷役の安全性・信頼性は製品自体の品質はもちろん、端末加工技術の善し悪しに左右される。全日本ロープ加工連合会総会などで『エレベーター事故など、安全性が厳しく問われている時代だ。ロープ加工の確かな技術を養い、誠実に良い製品を送り出そう』と訴えている」
工場内は中村社長考案の効率的な治具・設備が並び、効率経営を支える。業界で広まった治具もあるという。97年にはホームページを公開。ワイヤロープのすべてを網羅した充実した内容で、アクセス多数という点でも業界トップクラスだ。
08年9月期は売上高7億円、経常利益7千万円を予想。
「今後の事業展開?若手の採用や工場の建て替えなどいくつかのプランはある。創業以来できるだけのことはやってきて、世代交代の時期だと認識しており早晩、息子2人(哲也専務=東京製綱出向中、和也常務)に託したい。そうなれば顧客志向で、会社の発展を目指してほしい」 (大阪・白木
毅俊)
【会社概要】
本社=大阪市大正区泉尾6丁目5番40号
電話=06-6551-3390
FAX=06-6551-3396
従業員=25人
資本金=1000万円
年商=6億5400万円(07年9月期実績)
事業内容=ワイヤロープ、ワイヤロープ加工品
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